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WeChatのSEO対策をするには|中国マーケティング

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WeChatのSEO

前回の記事で、私域流量(プライベート・トラフィック)マーケティングについて、そしてその中でWeChat(微信)生態系の重要性について書いた。僕の意見では、これから様々な企業がWeChat内でのSEOに力を入れる必要がある。そこでこの記事では、WeChat内での検索機能(搜一搜)やその改善ポイントについて整理したい。

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WeChat“搜一搜”の成長

中国のGoogleは百度検索(バイドゥ検索)と言われるが、2021年現在の中国の消費者は、百度以外のプラットフォームで検索する機会が明らかに増えている。

一方、WeChat内で情報を検索するユーザーは大きく増加しており、WeChatの公式アカウント「微信公开课」の記事によると、2021年初めの時点で、1ヶ月にWeChat内で“搜一搜”(検索)するユーザーは5億人に上った。言うまでもないが、5億人というのは、日本人口全体の3.8倍ほどの規模で、想像できないほどのユーザー数だ。

検索の対象となるもの

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WeChatの検索機能は、様々なプラットフォームが検索の対象となる。WeChat の公式アカウント(公众号)そのものだけではなく、そのアカウントから発信されている文章や、関連のミニプログラム(小程序)や動画アカウント(视频号)も検索の対象だ。だから、企業は各方面でSEO対策をとっていくべきだ。ただし、影響の大きさを考えると優先すべきは検索結果のトップページである「全部」と公式アカウント「公众号」だと思う。

検索キーワード

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WeChat内で検索されるのは、何もブランド名や商品・サービス名だけではない。例えば、「コーヒー」「健康」「勉強方法」といった一般キーワードも検索の対象となる。WeChat内での検索状況のデータが確認できる「微信指数」を見ると、例えば一般キーワードである「咖啡(コーヒー)」はブランドキーワードである「星巴克(スターバックス)」よりも検索回数がはるかに多い。このことからも、ブランドキーワードと一般キーワードの両面からSEOを考える必要があることがわかる。

SEO対策の方法

ではどのようにWeChat内のSEO対策をすれば良いのだろうか。実は僕が知る限りでは2021年10月時点で、その方法は確立していないし、テンセントからの公式情報も見当たらない。しかし、多くの中国人ビジネスマンたちが、自らの経験からそのセオリーについて情報を公開しているし、他のプラットフォームでのセオリーは基本的には共通することが多いはずだ。以下はそれらの情報を元にまとめたWeChat内のSEO対策に重要なものとしての僕の考えだ。

タイトルとディスクリプションを改善する

まずは、最も基礎的なことだが、タイトルと各プラットフォームの説明の中に、キーワードを登場させる。説明文の中にはできれば複数回登場させる。ただし、説明文が長すぎるとSEO対策としてマイナスであるという意見もある。

エンゲージメントを高める

公式アカウントの文章のエンゲージメント、つまりシェア・コメント・ファボ・閲読数を高める。また、ユーザーの再訪問率も影響があるという考えもある。言うのは簡単だが、これが最も難しいはずだ。ユーザーにとって役立ち、話題性があり、シェアしたくなるようなコンテンツを提供するほかない。WeChat生態系を担当するマーケターが最も力を入れるんべきはここだと僕は思う。

ペナルティを避ける

逆にSEO効果を下げてしまうペナルティのようなものもあるようだ・公式アカウントの内容に関係の薄い記事や過去の記事の複製はペナルティの可能性が高まると言われている。

プラットフォームを連携させる

WeChatの中には、公式アカウント(订阅号,服务号)だけではなく、関連のミニプログラム(小程序)や動画アカウント(视频号)など複数のプラットフォームがある。それぞれのアカウントを認証させ、連携させる(中国語では「绑定」と呼ばれる)と、それぞれのプラットフォームの信頼性が高まるとされており、相互流入を促進できる。

 

以上、WeChat“搜一搜SEO対策についてまとめた。