しがないマーケターの戯言

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モチベーションが高まる仕事とは?

組織行動学において、従業員のモチベーションに関する研究は数多くある。そのモチベーションに大きく影響を与える一つの要因として「職務設計」つまり仕事の内容が挙げられる。

では、人のモチベーションを高める仕事の特性とは何なのか?この記事では、「職務特性モデル」と呼ばれる理論から、以下の5つの特性を紹介したい。

1.技能多様性

2.タスク完結性

3.タスク重要性

4.自律性

5.フィードバック

 

この記事はスティーブン P. ロビンス「組織行動のマネジメント」を参考にしている。MBAプログラムでも組織マネジメントの教科書として活用される名著だ。この本1冊で、リーダーシップ、モチベーション理論、異文化コミュニケーション、交渉術など様々な組織行動に関わる分野が整理されていて非常におすすめ。

 

1.技能多様性

どのくらい従業員が、自身の多様な能力、経験、スキルを活用できるかということ。例えば、商品の企画、開発、販売まで関わる幅広い業務はモチベーションが上がるかもしれないが、毎日商品の塗装だけを行う業務に対してはモチベーションが上がりにくいということだ。

2.タスク完結性

そのタスクを完結させられているという実感があるかどうか。例えば、1つの商品のパーツだけを作り続ける仕事よりも、多くのパーツを集めて完成させる仕事のほうがモチベーションが上がりやすいということを意味している。

3.タスク重要性

そのタスクを重要だと思えるかどうかということ。自分の仕事が、誰かの役に立っている、大きな影響を与えている、誰かから賞賛される、ということは高いモチベーションにつながりやすい。

4.自律性

仕事のスケジュール設計、取り組み方などに対して、どのくらい自分の裁量があるか、コントロールできる余地があるかということ。例えば、営業対象や方法などを自分で考えられる営業担当は、営業マニュアル通りに営業することが求められる場合よりもモチベーションが高いと考えられる。

5.フィードバック

自分が遂行したタスクに対して、フィードバックがあるかということ。例えば、自分が担当したプロジェクトの成果が数字となって現れやすいタスクに対してはモチベーションが高まりやすい。

 

この5つの観点について、自分の今の仕事の状況はどうだろうか?もし自分のやり方で改善できる部分があれば、自分のモチベーションを高めるきっかけとなるかもしれない。