しがないマーケターの戯言

読んで学んで、物を書/描く。

幸せな働き方をするために最も大切なこととは

最近motoさんの著書「WORK」を読んでいてこんな一節を目にした。

よく「本当にいい会社はどこですか?」と聞かれるのですが、私は、「自分で働き方をコントロールできる会社」だと思っています。

work moto

筆者によると、良い会社とは、年収が高い会社でも、大企業でもなく、「自分で働き方をコントロールできる会社」だという。そういう会社は、自分がたくさん自分のためになる経験ができるからだ。

僕は最近、この「自分でコントロールできる感覚」つまり「自己効力感」が仕事の充実感を決める上で非常に重要だと感じている。

「自分であれこれ考えながらやってみて、成果を出す」ことが許されている状況は、たとえ多少残業が多かろうが、大きなやりがいを感じるものだ。

 

鈴木裕さん「科学的な適職」で紹介されている台湾で行われたある研究では以下のような一見シンプルな自由度が、従業員の幸福度を高めていることがわかった。

・作業を実行するスケジュールを好きに設定できる

・タスクの内容を好きなように選ぶことができる

・収入や社内ルールに好きな意見を伝える

 

科学的な適職

自分の考えでは、この「自分でコントロールできる感覚」は、組織のポジションが高いことと必ずしもイコールではない。例え課長でも部長でも本部長でも、その上司からのマネジメントスタイルや、他部門との関係によって実質的に自分でコントロールできる範囲が狭ければそれは自由があるとは言えない。

自分自身の経験でも、上司や他部門の関係者にあれこれ口出しされずに、自分で試行錯誤しながら進めても良い仕事を担っている時は、多少残業が多くても苦にならなかったように思う。逆に同じ状況でも、それが叶わない状況だと、ストレスばかりが溜まっていくものだ。

 

マッキンゼーの元人事伊賀泰代さんは論文「キャリアの成功とは何か」で、キャリアの成功の条件として以下の3つを挙げた。

1.自分の使命が明確になる

2.その使命の達成を職業にできる

3.仕事のコントロールを自分でできる

仕事のコントロールの自由度が高いということは、キャリアの成功とまで言えるのだ。

 

また、自己肯定感を保つというのは、職場におけるストレスをマネジメントする上で非常に重要だ。先にも述べたが、「自分でコントロールできる感覚」は「自己効力感」となり、「自己肯定感」にもつながってくる。USJ復活の立役者として知られる森岡さんは著書「苦しかったときの話をしようか」の中で「人が最も苦しいのは、自己評価が極端に低くなっているとき。自分自身で自分の存在価値を疑う状況に追い込まれたときだ」と語っている。

苦しかったときの話をしようか

自分も上海に駐在したての頃、まだ全く中国語が話せない中で仕事はすべて中国語という環境に、自分の自己肯定感が全て崩れ去ったことを思い出した。日本で10年ほどのキャリアを積み、ある程度スキルや経験を身につけた。そんな中で急に組織の中で一番の足でまといになるという経験は、精神的にかなり厳しいものがあった。

 

以上のように、自分でコントロールできる感覚を持ち、自己肯定感を持つこと。これは「のびのび働く」上で非常に重要だと思うのだ。