しがないマーケターの戯言

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大学生の時に読みたかった厳選ビジネス書5冊|就活生には特にオススメ

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僕は今30歳を過ぎたところで、社会人歴も10年近くになった。今でこそ多く読書をするが(年間100冊程度)、本格的に読書をするようになったのは大学を卒業してからだ。

思い返すと、学生時代にもっとビジネス書の類を読んでおけばよかったな、と感じることも多い。そこで、僕が大学生の時に読んでおきたかった特におすすめのビジネス書を5冊ご紹介したい。

選んだ観点としては、「働くとはどういうことか」「どのような姿勢や方向感を持ってで職業選び(就活)をすれば良いのか」ということを感じられること。そして、小難しい内容ではなく、読書に慣れていない人でも読み易いことだ。

まだ働いたことのない学生にとって、単なる就活論とか小手先のビジネスノウハウなどはそれほど重要ではないと思う。それよりもっと本質的なことがある。ここで紹介する5冊は、きっと大事なことに気づかせてくれるはずだ。

『ゼロ』堀江貴文

元ライブドアの社長で証券取引法違反容疑での逮捕経歴もある「ホリエモン」の著書。僕は堀江さんの著書をいくつか読んでいるが、この「ゼロ」は最高傑作だと思う。堀江さんが東大への入学、ライブドアの創業、爆発的な会社の成長、逮捕、そして釈放からの再スタートまで、その壮絶な人生の中で生まれた「哲学」がそこにはある。

その毒舌で直接的な物言いから、世間では悪いイメージもある堀江さんだが、この1冊を読むと、その素晴らしい仕事観に圧倒されること間違いない。

・お金とは「信用」を数値化したものである

・「やりがい」は業界や職種によってもたらされるものではなく、「仕事をつくる」ことで生まれるもの

・そして、仕事に没頭するためには「自分の手でルールを作ること」だ

など、働いている今だからこそわかることかもしれないが、働く上で重要かつ真っ当な考え方ばかりなのだ。

『未来の働き方を考えよう』ちきりん

社会はブロガーちきりんさんの本は、どれもオススメだが、「未来の働き方を考えよう」は、キャリアの考え方にフォーカスしているため特にオススメできる。

ちきりんさんは、外資系企業のマーケティングという資本主義の世界ど真ん中を生きてきた方だけに、著書はすべて合理的で、良い意味で日本社会の常識に縛られていない。

本書では、日本の高度経済成長の終焉と、IT革命の到来(インターネットの発達)により、新卒で大企業に入って終身雇用される時代は終わり、より個人が柔軟に変化し、稼ぐ力を持って働く時代になっていることが述べられている。

就活生による人気企業ランキングを参考に、とにかく大企業に滑り込むための就活で良いのか?ということを考えさせてくれる1冊だと思う。

『好きなようにしてください』楠木建

一橋大学の経営学の教授・楠木建さんの名著。楠木教授は「ストーリーとしての競争戦略」の著書としても有名な、経営戦略論の教授だ。

前回の記事にも書いているが、この本は、NewsPicks連載「楠木教授のキャリア相談」を元にしている。毎週、読者から寄せられたキャリア相談に、楠木教授が答え、最終的には「好きなようにしてください」とバッサリ切るというものだ。

しかし、もちろん投げやりに切るわけではない。時には読者の質問の背景の心理を考察した上で、あくまで論理的に、そして時にはユーモアを交えて語られるところにこの本の魅力がある。

年収や会社の規模などの「環境」ではなく、あくまで「仕事内容」の好き嫌い(向き不向き)こそ重要、という至極真っ当な持論が展開されている。少しボリュームのある本なので、自分が興味のあるトピックに絞って読んでも良いかもしれない。

『自分思考』山口絵理子

自分思考 (講談社+α文庫)

自分思考 (講談社+α文庫)

Posted with Amakuri at 2019.1.3

  • 山口 絵理子
  • 講談社

 

このブログでは何度も紹介しているが、バングラディッシュでバッグブランド「マザーハウス」を起業した山口絵理子さんの著書。「発展途上国のものだから買われる」のではなく「良いものだから買われる」ブランドを途上国発で作るというコンセプト。孤軍奮闘しながら起業、そしてビジネスの成功を実現する体験記は本当に心揺さぶられる。

おそらく、この本を読むと、自分が何のために働くのかということを真剣に考えさせられるし、企業の規模や年収で自分の就職先を選択することが、きっと馬鹿らしくなると思う。それほど、働くことの本質が詰まっているエッセイだと思う。

『僕は君たちに武器を配りたい』瀧本哲史

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

Posted with Amakuri at 2019.1.3

  • 瀧本 哲史
  • 講談社

 

京大の准教授である瀧本哲史さんの名著。

瀧本准教授はこの本の中で、多くのスキルは「コモディティ化」しているとしている。例えば英語力や、会計の知識、プログラミングのスキルなどは、より安価な労働力(例えば東南アジアの国々などの人)にとって代わられ得るものだ。これを「コモディティ化するスキル」という。

その中で、生き残るためには「スペシャリティ」になる必要があるとし、それを6つに分類している。

1.商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)

2.自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)

3.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)

4.まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)

5.自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)

6.投資家として市場に参加している人(インベスター=投資家)

このように、この本は、キャリアを選択する上で業界や職種といった枠を超えて大切なことは何かということに気づかせてくれるのオススメだ。ちなみに、今は「エッセンシャル版」として文庫本もあるので、まずはこちらを読んでみるのも良いかもしれない。

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以上、学生の時に読んでおきたかった厳選の5冊をご紹介した。もちろん、すでに社会人の方にとっても読み応えのあるものばかりだ。