大前研一さんのビジネスブレークスルー経営大学院と、オーストラリアBond大学のコラボコース、Bond-BBTは、オンラインでBond大学院のMBAが取得できるコースだ。
僕はこの大学院をもうすぐ卒業するが、この中で出会った、経営学や経営戦略を学ぶ上で、とても役立ったツールを紹介したい。
Bond-BBTの受講生は全員、Strategy and Innovationという授業の中で、RTOCS(リアル・タイム・オンライン・ケーススタディ)というものに取り組む。これがどういったものかというと、自分が様々な企業のトップになったと仮定して、経営判断をどうするか、というケーススタディーをひたすら行うのだ。このケーススタディは、書籍でも出版されている。
もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1(大前研一監修/シリーズ総集編) (ビジネス・ブレークスルー大学出版(NextPublishing))
Posted with Amakuri at 2018.7.15
- 大前 研一, ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所
- インプレスR&D(インプレス)
大前研一(監修), ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所『もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?」
期間は半年間、毎週課題が出され、1週間をかけてリサーチをし、クラスメイトとAir Cumpas(学生同士が意見を投稿し合うシステム)上でディスカッションをし、結論を導いていく。このRTOCSは、個人的には以下2つの点でかなりためになった。
1 視野が広がる
半年間毎週なので、かなりの数の企業を分析し、戦略を作ることになる。普段馴染みのない業界(例えば僕にとっては半導体商社、金融系企業、自治体など)を分析することになるので、単純に知識量が広がる。毎週やり続けていれば、どんな業界でもきちんと決算発表資料など公式な資料を見ていけば、概要をつかめるようになってくる。
2 自分事化できる
そして、ただ分析するだけではなく、自分なりに結論を出さなければならないので、その事業を自分事化して見るクセが身につく。「自分だったらどうするだろう」と思って仕事を見れるようになるので、情報収集も頭に入ってくる。コンサルを目指す人などにはもってこいのトレーニングだと思う。
3 フレームワークを使い慣れる
分析には、3C, SWOT, VRIO分析などオーソドクスなフレームワークを使う。ビジネスフレームワークというのは、あくまで思考の道具であるので、その存在を知っているだけでは意味がない。適したフレームワークをサッと使えるようになってこそ意味があるのだ。その点で、大量の分析をこなすので、フレームワークを使うことにはかなり慣れてくる。
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そんなこんなで、このRTOCSはかなりおすすすめな学習ツールなのだ。
一人でもできるし、複数集まってそれぞれで分析結果をシェアしてディスカッションするのも良いかもしれない。経営学や経営戦略を独学するためのオススメの学習方法だ。