大人になってから、日本で英語を勉強するのは本当に大変だ。はっきり言って楽な方法なんてないと思う。僕は英語学習者で、今も継続して勉強しているので、その大変さを理解しているつもりだ。
だから、「聴き流すだけでペラペラになれる」「簡単に喋れるようになる」のような大ウソの広告や書籍が大嫌いだ。
だからこそ、ここで紹介したいのは、「決して楽ではないが、できる限り効率的に英語力(特に会話力)を高めていくための極めて真っ当な方法論」としての3冊をご紹介したい。
英語は1年でマスターできる
筆者は元ソフトバンクの三木雄信さん。元々英語が苦手だったが、ソフトバンクに転職し、孫正義氏の秘書を務めるために英語が急遽必要に。1年間懸命に勉強してビジネスで通用する英語力を身につけた。
「1年でマスターできる」という言葉だけ見ると、また「そんなに簡単じゃないだろ」と思ってしまうが、その主張は極めて合理的だ。
・「英語を流暢に話す」ためではなく、「自分の仕事上で必要な英語力に絞って身につける」(雑談などは苦手でOK)
・業務上必要ない、もしくは調べることでなんとかなるなら、リーディングやライティングも捨てる。スピーキングに集中する。
・楽な方法はなく、絶対的な学習量は必要。1年間で1,000時間(1日3時間)の勉強量をする。
・学習量を確保するためには、モチベーションを維持することが不可欠。そのために英会話スクールで、教師や他の受講生とつながることは重要。
筆者はこの成功体験を元に、「トライズ」という英語コーチングサービスを立ち上げるにまで至った。ノンネイティブが英語を学習する上では、地に足のついた極めて真っ当な方法論だと思う。
岩田式英語勉強法
筆者は、スターバックス・ジャパンやザ・ボディショップの社長を務められた岩田松雄さん。筆者が英語の勉強を本格的に始めたのは、30歳からと遅めだ。
だからこそ、筆者は「ネイティブのようにペラペラになる」ことは目指さず、英語を使う目的に合わせた英語力だけを効率的に身につけるという発想で勉強した。
「ビジネス英語」というと難しそうな印象も受けるが、筆者によると、「高校で習う基本的な語彙」+「自分の仕事で必要な専門用語」を使えるようになれば、ビジネスでも英語で十分に対応できると説く。
また、紹介される勉強法も、「同じ洋書を何度も繰り返し読む」などのかなり地道なものが多い。「やっぱりこれくらいしないとダメだよな…」と唸る1冊だ。
できる人の英語勉強法
筆者は東進衛生予備校の超人気英語講師、安河内哲也さん。安河内さんは過去、留学経験もないまま、帰国子女で溢れる上智大学英文学科に入学。最初は周囲との英語力の差に衝撃を受けたものの、猛勉強をして英語をマスター。
現在はTOEIC1390点満点 (LR+SW)だ。これまで予備校で何千人も教えてきたであろう勉強法のノウハウが公開されているのがこの1冊なので、大人(ビジネスパーソン)だけでなく、中高生、学生にもおすすめできる1冊だ。
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以上、特にオススメのものをご紹介したので、読んだことのないものがあればぜひ一読いただきたい。同じ英語学習者として、ぜひ楽しみながら勉強を続けていければ、と思う。