しがないマーケターの戯言

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英単語帳Atsueigo「Distinction」の魅力・レベル・内容まとめ

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英語学習のYoutubeで有名なAtsuさんの英単語帳「Distinction I」を実際に使ってみたので、魅力・レベル・内容など感想をまとめたい。 

Distinctionの概要

distinction1.atsueigo.com

この単語帳の大きな特徴は、いわゆる資格試験や受験をターゲットとしているのではなく、「ネイティブスピーカーがよく使うけど、日本での英語学習では出会う機会は少ない」という表現を集めていること。例えば

gold standard:最高峰のもの

could hear a pin drop:シーンとしている

up in the air:まだ決まっていない

著書のAtsuさんは帰国子女ではなく、独学から英語学習をスタートし、TOEIC、英検、IELTSなどの英語資格の最高レベルを達成した後、オーストラリアで大学院を卒業、会計ファームでグローバルに働かれた経験がある。第2言語としての学習経験、アカデミックな英語への精通、そしてビジネス面での実務経験という様々な経験がある彼だからこそ作り得た名シリーズだと思う。

対象レベル

AtsuさんがTwitterで、この単語帳の対象レベルを「全レベル」と表現していたのを見た記憶がある。確かに、これはTOEICや英検といった資格試験のための単語帳ではないので、その尺度では「明確な対象レベルはない」というのが正しい理解だと思う。

僕が一通り学習してみて感じたのは、おすすめできるユーザーは「大学入試レベルの基本的な文法や語彙が身についている」という前提で、「ネイティブとの実際の会話や映画、ドラマなどをより理解できるように実践力を高めたい」というような人。

逆に、資格試験での高得点や、受験突破のための学習が最優先事項の人には合っていないと思う。

魅力

純粋に内容が面白い

僕自身もこれまで継続的に英語を勉強してきて、TOEICもそこそこあるし、仕事で英語環境に身を置いたこともあるが、それでもこの単語帳には知らない表現がたくさんある。かつ、単語自体は簡単でも組み合わさって変わった意味を持つものや、比喩的な意味を持つものがたくさんあって、読んでいるだけで純粋に面白い。

解説が覚えやすい

僕は英語学習のテキストなのに日本語がたくさん書いてある系の学習参考書は苦手だ。それでも、このDistinctionの単語解説は、その表現の背景や由来が書いてあり、楽しく読めるし、理解が深まる。単純にその単語だけを覚えようとするより記憶に残りやすいと思う。例えば

gold standard:最高峰のもの

(解説抜粋)

gold standerdは、金本位制(金を貨幣価値の裏付けとする制度)を意味し、それが貨幣価値を保証するところから一般的に最高品質基準を意味する表現になったと言われています。

 

could hear a pin drop:シーンとしている

(解説抜粋)

直訳は「針が落ちる音すら聴くことが出来ただろう」となり、静けさを比喩的に表したものです。 

英訳がついている

それぞれの表現には日本語での説明に加えて、英語の同義語がついている。日本語と英語両側面から意味を理解することで、とても覚えやすい。

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2つの例文

各単語、表現あたりに2つずつの例文がついている。実際に使うまではこの良さがあまりわからなかったが、実際に使ってその意味がわかった。

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それは、1周目は1つめの例文、2周目は2つ目の例文、と同じ表現を違う文脈で読むことでより理解が深まり記憶の定着が早くなること。何度も繰り返し学習することを前提としているからこその設計だと思う。

また例文には、該当の表現以外にも、Distinctionの中にある表現が繰り返し使われている。何度も異なる文脈で触れる、というのはこの本のコンセプトということだろう。

レイアウトとサイズ感が使いやすい

Distinction一般の英単語帳より少し大きいA5サイズ。その分、分厚くも感じず、レイアウトもすっきりしている。文字のサイズも大きめなので使いやすい。

デザインが美しい

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これは学習とは直接関係の無いことかもしれないが、本のデザインがシンプルで美しい。学習参考書というのは往々にして表紙もダサそれほどかっこ良くないものが多い。余計なキャッチコピーや商業的なタイトルも無い。純粋に手元に置いて学習をするとやる気が出る。個人的には、このデザイン面というのは参考書選びで非常に重要なポイント。

まとめ

Distinctionは、内容面でもデザイン面でも非常に優れた英単語帳だと思う。今取り組んでいるDistinction1を終えたら、Distinction2、そして新作のDistionction2000も使ってみたい。