行動経済学について基礎理論を学べる動画講座を作った。マーケティングの実務経験も生かしながら、わかりやすく完結に解説したつもりなので、行動経済学に少しでも興味がある方はぜひ活用していただきたい。もちろん無料。
講座の概要
・行動経済学の基本理論を例を交えながら簡潔に説明した
・多くの行動経済学の入門書に出てくる理論を網羅的に収録している
対象者
・行動経済学と聞いて、なんとなく興味はあるが詳しく知らない方
・マーケティング、営業、企画職などの仕事に役立つ理論を学びたい方
・日常の人の行動の裏にある、人の心理や習性に興味のある方
参考文献・講座
この講座では以下の講座や書籍を元に編集している。
・Duke University “Behavioral Finance” (Coursera)
プログラム内容
動画のプログラムは以下の5回。全部で約40分の短い講義だ。
1.伝統的な経済学と行動経済学の違い
2.行動経済学の基礎理論「プロスペクト理論」
3.お金にまつわる行動経済学
4.物事の捉え方にまつわる行動経済学
5.人の行動に影響を与える行動経済学
1.伝統的な経済学と行動経済学の違い
伝統的な経済学は合理的な経済人(ホモエコノミカス)を前提としている。しかし、人間は常に合理的に行動できるわけではない。例えば、新しいスマホを購入する際、世の中にあるすべてのスマホの特徴や価格などの情報を集めて比較検討して購入する機種を判断できるだろうか。現実的には難しい。
実際の人間は、限られた情報の中で、自分の経験や感覚を頼りにしながら判断し、それは時には非合理的にもなる。行動経済学では、こういった「ヒューリスティック」に着目する点に、伝統的な経済学との大きな違いがある。
2.行動経済学の基礎理論「プロスペクト理論」
例えば、1万円を紛失した時の悲しみの度合いは、1万円を拾った時の度合いよりも一般的には大きい。人は、利得よりも損失により敏感に反応するからだ。この回では、そういった心理をとらえた「プロスペクト理論」について学ぶ。
3.お金にまつわる行動経済学
高級レストランで1万円支払う時と、居酒屋で5000円、帰りのタクシーで5000円(合計1万円)支払う時とでは、同じ1万円でも感じ方が違うかもしれない。この動画ではこういった「メンタル・アカウンティング」を中心に解説する。
4.物事の捉え方にまつわる行動経済学
コップ半分の水を見て、「半分もある」と見るか「半分しかない」と見るか。同じものでも、人は背景やそこに至るストーリーによって異なる解釈をする。第4回は、こういった「フレーミング効果」を中心に確認していく。
5.人の行動に影響を与える行動経済学
最終回となる第5回は、トイレットペーパーやお米の買い占めにもつながる「ハーディング効果」など、人(群衆)の行動に影響を与える行動経済学について。
以上、5回分の動画で行動経済学の基礎理論をご紹介した。もし、これを機に行動経済学に興味を持たれた方は、冒頭でご紹介した参考文献で学びを深めてみていただきたい。