しがないマーケターの戯言

読んで学んで、物を書/描く。

ツイッターでプチバズって実感したバズの仕組み

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最近、ひとつの何でもないツイートがプチバズった。その拡散の過程を見ながら、その仕組みについて実感したことをまとめたい。

 

バズったツイートの内容

実際にバズったツイートはこれ。行動経済学に関する面白いエピソードを本の引用(画像)を添えて投稿した。

約4000リツイート、約1万イイね、インプレッション数は90万を超えた。(一般的に本当に大規模なバズは、数10万イイねに達するものもあるので、ここでは「プチバズ」と表現しておく)

 

コメントやリツイートの傾向

まず、このツイートが拡散された背景にある人の心理を考えたい。

面白さへの共感

なんと言っても1番多かったのが「この理論面白い!」「これは真理w」「笑ったw」などの面白さへの共感。これが全体のコメントとリツイートの7割くらいを占めていたと思う。

人は自分が興味があること、面白いと思うことを人に共有して共感を得たいという欲求をもっているようだ。

自分の知識、意見、経験の付加

次に目についたのが、「行動経済学って〇〇なんだよな〜」とか「きっと祖母が3人以上いる生徒が多発しているのでは?」とか「自分は当時、家族を皆殺しにしましたw」など、自分の知識、意見、経験などを付加してリツイートするタイプ。

批判と指摘

そして、今回学びになったのは、こんな無害で冗談めいたツイートでさえ、不特定多数の目に触れると批判や指摘っぽいコメントはつく。「これは“理論”ではなく単なる事象の説明では?」のようなものや、「マイク・アダムズが発見者って書いてるのは気のせい?」のような情報の正確性を指摘するもの。(これは確かに厳格に考えると指摘が正しい部分はある、が、重箱の隅をつつかれた感はある)

また「私は本当にテストの直前に祖母を亡くしました」のようなコメントも。まさかこの角度からのコメントがあるとは正直思っていなかったが、どんなに悪気のない情報でも、時にはだれかを不快にさせてしまうことがあるということを学んだ。

バズは情報の連鎖

今回のバズの過程について理解したことは大きく2つ。

1.バズはインフルエンサーによって起きるものではない

まず、今回のツイートはフォロワーが1万人以上いるようなインフルエンサーの影響はほぼ受けていない。フォロワー100人〜500人といった一般的なユーザーにたくさんのリツイートとイイね!をもらった。

その代わり、リツイートしてくれたアカウントを見に行くと、かなり情報発信の頻度が多いユーザーが多かった(悪い言い方をすると、ちょっとオタクというかツイ廃みたいな方も多かった)。バズを生み出すエネルギーは、フォロワー数が多いというよりも、情報発信頻度が高いユーザーから生まれるようだ。

2.情報はじわじわ連鎖する

そして、インフルエンサーではない一般的なユーザーによる拡散というのは、瞬時に起こるものではなく、時間をかけてじわじわと連鎖する。実際に今回のツイートも1週間ほどアプリの通知がコンスタントに続いた。

と、こんなことを考えていたらこの事象をすでに的確に説明している本があった。SNSの専門家が見ても、やはりバズの仕組みは発言頻度の高いユーザーによる情報の連鎖にあるようだ。

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*参考:飯高悠太「僕らはSNSでモノを買う」

以上、プチバズの実体験をまとめた。バズを現在に特有の情報の流れとして観察すると、とても面白いと感じた。