この記事では、統計学を本格的に学んだことがない人が、統計学の基礎を学ぶためのおすすめ本を紹介したい。
卒業したMBAプログラムでは統計学の授業があった。僕の本職はマーケティングであるため、データ分析は日常的に行うが、正直高度な統計学の理論を使っているわけではない。なので、基礎から統計学を学ぶ必要があった。その際に実際に学習で役立った書籍だ。
基本をざっくりつかむ
まず、本格的に勉強を始める前に一読をおすすめしたいのが、アラン・ダブニー, グレディ・クライン他「この世で一番面白い統計学」だ。
アメコミ風(?)のユニークなマンガで、統計学の基礎の概念を知ることができる。平均、中央値、標準偏差、確率などの基本的なテーマから、正規分布、仮説検定とp値などといった、より統計学っぽいところまでを1冊でさらっと読める。
いきなり計算式を覚え始めるよりも、視覚的に全体を把握することは、その後のインプットにも良い影響をもたらすと思う。
統計学の基礎理論を一通り学ぶ
そして、統計学の基礎を学ぶためのコアテキストとしたいのが、小島寛之「完全独習 統計学入門」だ。筆者は、東京大学の経済学博士であり、数学エッセイストとして活躍されている。
「使うのは中学数学だけ!」というキャッチコピーにもある通り、複雑な計算(微分・積分やシグマなど)は扱わないまでも、「検定」や「区間推定」といった統計学の必須知識を学ぶことができる。
エクセルで統計を扱う
統計の基礎を学んだら、実際に仕事で使うために、エクセルで統計の知識を扱える必要がある。高橋 麻奈「親切ガイドで迷わない 統計学」は有名ではないようだが、エクセルの関数とセットで統計の基礎を学べるので、おすすめだ。
巻末の基本的なエクセル関数のまとめがMBAの勉強でも役立った。
統計学を応用する
最後にご紹介したい、西内啓「統計学が最強の学問である」は、数年前にビジネス書としてヒットしたので読んだことがある方も多いかもしれない。
統計学がいかにビジネスや社会的な課題を解決できるかということがわかる読み物として素晴らしい1冊。医療の世界でも、一見ロジカルな理論に見えて、実際の結果を統計学的に検証すると、正しくないことがあるという。誰が言ったか、説得力があるか、ではなく統計学で実証されたエビデンスに基づいて物事を判断すべきである。というのが全体を通しての筆者の主張だ。
前半はほとんど統計学の知識は不要だが、後半は検定や区間推定などの知識が必要。統計学の基礎を学びながら補完テキストとして一読するのにおすすめだ。
以上、統計学の基本を学ぶためのおすすめ本をご紹介した。ここでご紹介したものは専門家から見ると本当に入門レベルだが、一般のビジネスパーソンが教養として身につける上では十分な内容だと思う。