しがないマーケターの戯言

読んで学んで、物を書/描く。

シンプルで美しい伝わるプレゼン資料・企画書の作り方

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「おしゃれなパワーポイント資料を作ることなんて時間の無駄だ」と思われる方もいるかもしれない。しかし、僕はわかりやすい企画や戦略書というのは、組織にとってとても重要だと考えている。そのプレゼンを聞いて、もしくはその資料を見て、全員が戦略を理解し、納得して実行する必要があるのだから。

僕はマーケターとしてプレゼン資料を死ぬほど作ってきた。その中で培ってきた自分なりの「伝わる資料」のデザインセオリーをご紹介したい。ただ、どれも特別なテクニックやセンスが必要なものではない。少し心がければ誰でも明日から実践できることばかりだ。

結論から言うと、シンプルで美しいプレゼン資料・企画書の条件は以下だ。

1. 色数が絞られている

2. 言葉が絞られている

3. フォントの種類が絞られている

4. 太文字が絞られている

5. 図式が絞られている

6. 適度な余白がある

7. グリッドが揃っている

 以下のスライドを例に見ていきたい。

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1. 色数を絞る

伝わるデザインは、伝えなくて良い部分を作ることで生まれる。色数が多すぎると、どこが重要でどこが重要でないのかが受け手に伝わりにくくなってしまう。

僕の場合、資料は2色(青と黒など)。多くとも3色で作る。実は、このブログもあえて文章の中に他の色を使わないようにしている。

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2. 言葉を絞る

これは当然のセオリーだが、言葉(テキスト)が多ければ多いほど、受けては理解するのに時間がかかる。不要な言葉はとことん削って、時には箇条書きで簡潔に表すなど、言葉を絞ろう。

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3. フォントを絞る

パワーポイントなどのソフトでは様々な書体を使うことができる。でも、1つの資料で複数の書体を使うことはおすすめできない。書体が分かれているということは位置付けが異なることを示すことなので、もし複数の書体を使う場合は、使い分けにルールを設けよう(タイトルと本文で分けるなど)。

ただ強いこだわりがないのであれば、同じ書体で統一するのが最もシンプルな方法だ。

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4. 太字を絞る

よく、太文字だらけの資料を見かける。文字を太くするということは、その文字を目立たせたいという意思表示だ。これは色数を絞る理論と同じで、全ての文字が太いと、逆に重要なことは何なのかがわからなくなる上に、読みにくくなってしまう。

重要なところだけ太文字を使うことがおすすめだ。

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5. 図式を絞る

わかりやすい資料を作ろうとして、無駄に図式を多くしてしまうケースが実はよくある。もちろん、概念が難しいことなど、ビジュアル化することで一瞬で伝わるようにできることもある。

しかし、図式化を多く取り入れすぎると、逆に理解しづらくなることもある。人は、文章を左上から右下にZ型に読むと言われている。図式が多くなりすぎると、視線をどこにもっていくべきかがわからず、読みづらくなってしまうのだ。

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6. 余白を入れる

適度な余白を持つと、その誌面は落ち着いて、すっきりして見える。ついつい余白を恐れ、文字や画像を無駄に大きくしてしまいがちだが、余白を適度に作ることで、目立たせたい部分が目立つのだ。

デザインの世界では、余白部分が大きいことを「版面(はんづら)率が高い」と言ったりする。

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7. グリッドを揃える

グリッド線とは、その誌面を方眼のように同じ大きさに区切った補助線のことだ。このグリッド線にある程度沿ったレイアウトだと、誌面全体のバランスが良く、美しく見える。

つまりは、文章の行頭の位置や、上下左右の余白の間隔をできるだけ揃えようということだ。

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以上、シンプルで美しいプレゼン資料・企画書の条件をまとめた。どれもデザインのセンスが必要というほどの話ではなく、少し気をつければ済む問題ばかりだ。

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