しがないマーケターの戯言

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絶対数は「生産性」のカベになる|自分の時間を取り戻そう

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ちきりんさんの「自分の時間を取り戻そう」を読み返した。仕事や家事の「生産性」に着目し、人生の限られた、そして貴重な「時間」をどう使うべきか、ということを考えさせられる1冊だ。

「生産性」とは何か

「生産性」とは何か。それは、「最小のインプット(リソース)で、最大のアウトプット(結果)を得ること」だ。仕事でも家事でも、自分の時間という限られたものを、優先順位をつけてリターンが大きいものだけに投資するのだ。

 ビジネススクールのある教授が言っていた。「経営者の非常に重要な資質として、"優先順位を決められる"というものがある。やったほうが良いことは山のようにある。でもすべてやっていてはリソースが回らないので、必要なこと、リターンが大きいことだけにリソースを割くという優先順位をつけるべき。これは経営者にとっても意外と難しい」と。

プラスに働くことだからといってすべてやるのが良いとは限らない。そのための時間やお金に対して、見返りが大きくないものは意味がないのだ。

「絶対数」のカベ

僕はこの「生産性を高めるべき」という主張に完全に賛成だし納得している。一方で、会社員、特にマーケティング担当としては、大きなカベがあるとも感じている。

僕はマーケティング担当者として、新規顧客獲得をミッションとしている。会社から与えられている僕のKPIは、顧客獲得数という「絶対数」だ。

例えば、1,000万円マーケティング予算があって、1,000人集めるのが自分の仕事だとする。もちろん、その1,000万円を効果的に使って1,000人集められれば、生産性が高い仕事ができたことになる。この時のコスト効率は、CPA(Cost Per Acquisition)10,000だ(つまり1人の顧客を獲得するために10,000円使ったということ)。

しかし、例えば、1,000万円使っても、800人までしか届きそうにないとする。ただし、500人であれば500万円で集められそうだ。これはコスト効率としてはCPA10,000円であり、1,000万円で1000人集める時と同じである。

でも500人しか集められないと、自分のKPI1,000人という絶対数)は達成できないわけだから、コスト効率が下がっても投資するしかない。そして、もしかしたら1,000人に届かせるために残業して追加施策を考え、費用もさらに追加で投入することになるかもしれない。その結果、1,200万円くらいを使って1,000人を集めることになる。この時のコスト効率はCPA12,000円。

これは生産性の観点から見ると良くないのは明らかであるが、1,000人の新規顧客という絶対数の目標を達成するためには避けられないことだ。もしろん、もっと生産性の高い手法を生み出せればベストだが、いつもそれができるとは限らない。 

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このような非生産的な状況を、今までの仕事で自分も含めてたくさん目の当たりにしてきた。働く上でのKPIが「絶対数」である以上は、生産性を高めることがどこかで難しくなってしまうのではないだろうか。