しがないマーケターの戯言

読んで学んで、物を書/描く。

スペシャリストではない「マルチ・ポテンシャライト」という生き方

プレゼンの内容

TED『天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?』は、キャリア・コーチのエミリー・ワプニックのプレゼン。最近は書籍にもなっている。

世の中には「天職」と言える仕事を見つけて、その道に邁進する人たちがいる。一方で、熱意を注いで取り組んだものも、ある時飽きてしまい、別の熱意を注げるものに移っていく人は多くいる。世間ではそれを「飽きっぽい」「中途半端」とすることもある。

もちろん、1つの分野に従事し続けて「スペシャリスト」となることは素晴らしいが、それができる人ばかりではない。プレゼンターは、スペシャリストに対して、様々な分野に熱中して複数の専門性を持つ人のことを「マルチ・ポテンシャライト」と表現している。

マルチ・ポテンシャライトであることのメリットとして、プレゼンの中では以下の3つが挙げられている。

・複数の分野のアイデアを統合し、新たなアイデアを生み出せること。

・初心者になることが多いので、迅速に学習する力を持てること。

・社会の動向が大きく変わった時にも、適応することができること。

実は多く活躍しているマルチ・ポテンシャライト

考えてみると、世の中には多くのマルチ・ポテンシャライトが活躍している。例えば、筑波大学准教授の落合陽一さんは、研究者、アーティスト、経営者、セミナー講師など、多様な肩書きを持つ。

お笑い芸人キングコングの西野亮廣さんは、芸人、絵本作家、小説家など、これまた全く分野の違う多くの肩書きを持っている。

さらに、サッカー日本代表の本田圭佑選手は、実業家、そしてなんと2018年にはカンボジア代表監督まで務めるというマルチっぷりだ。

このような有名人の方でなくても、最近では、副業複業パラレルキャリアなどと呼ばれる生き方も注目されている。1つの会社に一生務めるという時代が終わったため、とても自然な流れだと思う。

凡人のマルチ・ポテンシャルな生き方

僕自身も、複業と呼べるようなことはまだできていないが、会社員としてマーケティングの仕事に従事しつつ、このようにブログで記事を書く活動をしたり、簡単なマーケティングコンサル的な活動もしていた時期がある。

自分の中では、自分が注力する分野に集中したほうが良いのだろうかと悩むこともあるが、マルチ・ポテンシャライトの考え方を知って救われた気分だ。

人には、多かれ少なかれ「知的好奇心」というものがあり、学びたいという欲求があるものだと思う。「学びたい」という気持ちは強みだと思って、臆せず学べば良いのだ。「今からやってもどうせスペシャリストにはなれないしな」というネガティブな気持ちは、一度横に置いておこう。