しがないマーケターの戯言

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ストレスのメリットを考える|スタンフォードの心理学講義

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「ストレスは必ずしも害とは限らない」という話が、自分に良い示唆を与えてくれた。

『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくシンプルなルール」ケリー・マクゴニカル(2016年 日経BP社)

「ストレスは人を賢く、強くし、成功へと導く」ということです。人はストレスの経験から学び、成長することができる。そして、勇気や思いやりを持つことができるのです。

ストレスに対処する「最善の方法」は、ストレスを減らそう、逃げようとするよりも、ストレスについての考えを改めて、ストレスを受け入れることなのです。

 ストレスにはメリットがあると考える

「ストレスを多く感じること」「ストレスは体に害だと考えること」、この2つの組み合わせによって、心身の問題を引き起こすリスクが高まる

僕たちは、ストレスのない環境を理想として求めてしまいがちだけど、何らかのストレスそれ自体が問題なのではなく、「その環境が自分に悪影響をもたらしている」と考えることが問題なようだ。自分はストレスを受けているというマイナス感情が、身体にもマイナスに働くということだ。

 もちろん、常識を逸した労働環境や人間関係など、時には逃げ出すことが必要な状況はあるので、「すべてを我慢すべき」という意味ではないが、ストレスが全くない環境という状況もない。日頃のストレスを、自分のプラスなものとして捉え直すことが、毎日を前向きな気持ちで過ごすことの良い方法だということに気づかされた。

自分を成長させた経験はストレスフルだった

確かに自分の過去を振り返った時に、自分を成長させてくれたのはストレスフルな環境だった。例えば、僕は13年間野球をやっていた。毎日何時間も練習し、苦しい思いも多かった野球生活を通して得られたものは計り知れない。あの経験をすべて取り除いたら自分の人生は良いものになっていたのか、と考えると、それは有り得ない。

確かに、もう一度高校野球をやれと言われたら辛いものがあるけど…10代のあのストレスフルな経験は自分をより強く成長させてくれた貴重な経験だった。その経験が自分の誇りと自信となり、多少なりともつながっているのだ。

社会人1~3年目のハードワークの経験も同じ。数時間睡眠で休日も働き続けたあのストレスフルな経験は、もう味わいたくはないけど、「大抵のハードワークは乗り越えられ」という今の自分の自信になっている。

ストレスと上手く付き合うために

では、ストレスと上手につき合う能力を与えてくれることは何でしょうか。不安や憂鬱(気分の落ち込み)を和らげ、そこから回復する力を生み出すのに最も効果的なのは、運動やスポーツ、散歩、友達や家族・ペットと過ごす時間、マッサージ、瞑想、ヨガ、お祈り、祭祀への参加、ボランティア活動や他人の手助け、クリエーティブな趣味に費やす時間だということが、科学的に証明されています。

本書によると、飲酒や喫煙、テレビ鑑賞は、不安や憂鬱から「逃避する方法」にはなりえても、「回復する方法」にはならない。僕自身は週末は本を読む、ランニングするなどを通して気持ちをリフレッシュしようとしているが、それはあながち間違った方法ではなさそうだ。

要するに、自分の身体にプラスの効果のある活動や、何かに精神を没頭できる活動が、ストレスによってもたらされるマイナス要因と上手く付き合っていく方法なのだ。

まとめ

ストレスはそれ自体に問題があるわけではなく、ストレスを自分にとって悪影響だと捉えること自体が悪影響をもたらす。ストレスを避けるのではなく、上手く付き合っていくスタンスが重要。