僕はマーケティング担当者として、広告物やWebサイトのデザインに関わることもよくあるため、デザインの基本的な知識は一応身についている。
デザインの知識があると、自分がデザイナーでなかったとしても、役立つことが多々あると感じる。もちろん、広告物を作る上では直接的に役に立つし、そうでなくても、仕事上の資料をよりわかりやすく、相手の心を動かすものにするため、などにも役立つのだ。デザインのプロフェッショナルになる必要はないかもしれないが、デザインの基本を学んでおくことはかなりオススメできる。
この記事では、デザイナーではない人(非デザイナー)や、ビジネスマンが、デザインを学ぶ上でおすすめの本、3冊を紹介したい。
デザインの思想を学ぶ
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
Posted with Amakuri at 2018.7.28
- 山口 周
- 光文社
非デザイナーがデザイン思考を学ぶ必要性がわかる
山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
まず、これは直接的なデザインの本ではないが、ベースとなる考え方を知るためにオススメだ。右脳的思考(非論理的な直感的思考)が、ビジネスにおいていかに重要となってきているかが語られている。
高明な経営学者であるヘンリー・ミンツバーグによると、経営というものは「アート」と「サイエンス」と「クラフト」の混ざり合いによってできている。
✔︎ アート … ワクワクするようなビジョン、感情、美意識
✔︎ サイエンス … 論理的な分析やそれによる意思決定
✔︎ クラフト … 経験やそれに伴う実行力
つまり、我々が生きている社会が、感情を持った人間の集合体である以上は、データやファクトといった左脳的・論理的思考だけではなく、感情や共感といった右脳的・直感的思考による意思決定が重要だということだ。
具体的なデザインを学ぶベースとして、一読の価値がある良書である。
デザインをビジュアルで学ぶ
筒井美希『なるほどデザイン』
この本は具体的にデザインを学ぶ上ではかなりおすすめ。シンプルで短い説明と、具体的なデザイン例で、デザインの基本を学ぶことができる。だらだらと言葉で説明していない点が、まさに筆者のデザイン思考を体現している。
また、誌面デザインだけではなく、グラフやデータの見せ方まで、カバーされているので、デザイナーでなくても、日頃資料などを作成するビジネスマンにも非常に価値があると思う。
デザインの基本セオリーを学ぶ
デザイン入門教室[特別講義] 確かな力を身に付けられる ~学び、考え、作る授業~ (Design&IDEA)
Posted with Amakuri at 2018.7.28
- 坂本 伸二
- SBクリエイティブ
論理的にデザインを学べる
坂本伸二『デザイン入門教室』
こちらは、『なるほどデザイン』に比べると、デザインの基本セオリーがより詳しく言語化されている。配色、書体、トリミングの基本から、最後はデザインの改善演習まで。
表紙には「センス、経験一切不要!」というコピーが踊るが、まさに基本のセオリーを網羅し、左脳的に右脳的なデザインを学ぶ、ような良書だった。
以上、もし非デザイナーの方で、デザインに興味があるという方はこの3冊から学び始めてみてはどうだろうか。