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しがないマーケターが書く戯言。

人はなぜSNSに投稿するのか|その心理と3つの承認欲求

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自分のお気に入りの写真、美味しかった料理の写真、おしゃれなカフェの写真、ニュースへのコメント、仕事の成功・失敗。今僕たちは日常的に様々なコメントや写真をSNSに投稿する。時々ふと、「なんでこんなにみんな(自分含め)頑張ってSNSに投稿してんだろう」と不思議に思うことがある。これは言うまでもなく「承認欲求」の表出なのだが、この記事では、人がSNSに投稿する背景となる承認欲求を改めて整理してみることにした。

承認欲求とは何か

これは説明するまでもないかもしれないが念のため。アメリカの心理学者マズローは、人間の欲求を、生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求という5段階の欲求に分けた。

・生理的欲求:食欲、睡眠欲、性欲などの生きていくための最低限の欲求。

・安全の欲求:災害や犯罪、病気などを防いだ安全な暮らしがしたい欲求。

・社会的欲求:集団に属したり、仲間を作ったりする欲求。

・承認欲求:他者から認められたい、尊敬されたい欲求。

・自己実現欲求:自分の能力を引き出し、創造的な活動がしたいという欲求。

生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求を「低次元の欲求」とし、人はそれが満たされると承認欲求、自己実現欲求といった「高次元の欲求」を満たそうとするという理論だ。現代の日本を始めとした先進国では、物質的な豊かさが実現され、社会が成熟しているので、多くの人が「誰かに認めて欲しい」という承認欲求を追い求めていて、その簡単な手段としてSNSが使われているということかもしれない。

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3つの承認欲求

山竹信二『「認められたい」の正体』によると、承認とは、「親和的承認」「集団的承認」「一般的承認」という3つに分けられる。「親和的承認」は、家族や親しい友人からの承認。「集団的承認」は、会社、学校、クラブ活動など、自分が所属している集団からの承認。「一般的承認」とは、不特定多数の一般社会からの承認だ。

親和的承認

「親和的承認」は、ある行為や知識・技能に対する承認ではなく、基本的には無条件の「存在することへの承認」。人に「ありのままの自分」が受け入れられている、愛されているという実感を与えるものだ。

集団的承認

「集団的承認」は、自分の所属している集団で求められる役割をこなしたり、高い技能や知識を持っていることなどで、その集団内で得られる評価。親和的承認は相手次第だが、集団的承認はその集団で認められるものを自分の意思と行動によって実現することができるので、ある程度コントロール可能なものということになる。 

一般的承認

「一般的承認」は、困っている人を助けたり、多くの人に役立つ仕組みを作ったりするなど、思想信条や趣味、社会的立場を超えた普遍性のある価値に対する承認だ。

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SNSというツールに関しては、「集団的承認」「一般的承認」を望む承認欲求に影響されていそうだ。多くの人が、SNSを通して学校や会社といった集団の中での友人・知人とつながっている。そういった方に見られることを前提として投稿することは「集団的承認」を得たい気持ちが背景にあるだろう。

一方で、インターネット上ではリアル社会ではつながりのない不特定多数に発信することも可能だ。不特定多数に見られることを意識されている投稿は「一般的承認」を望む心理が背景にあると言えそうだ。かつては、有名人=マスメディアに取り上げられる芸能人という構図があったが、現代は不特定多数にSNSで発信することを通してちょっとした有名人になる人が多く出てきた。こういった状況を目にすることで、さらに「一般的承認」への欲求は刺激されているのかもしれない。

まとめ

承認欲求は、自己実現の欲求に次ぐ人間の高次な欲求の一つ。「親和的承認」「集団的承認」「一般的承認」という3つに分けられ、多くの人がSNSの投稿を通して求める承認は「集団的承認」「一般的承認」と考えられる。