しがないマーケターの戯言

読んで学んで、物を書/描く。

「どこでも誰とでも働ける」から学んだ、ギブすることの大切さ

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尾原和啓さん「どこでも誰とでも働ける -12の会社で学んだこれからの仕事と転職のルール」を読んだ。現代の仕事術、キャリアへの考え方を筆者の経験をもとに要約したような1冊だった。筆者の価値観から、学んだことをまとめたい。

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール

Posted with Amakuri at 2018.7.17

  • 尾原 和啓
  • ダイヤモンド社

現代のキャリアと仕事術の要約本!

ギブすることの大切さ

もしあなたが新しい職場に馴染みにくいと感じるとしたら、それは自分で勝手に「壁」をつくっているだけではないでしょうか。その「壁」を壊すのは簡単です。ひたすら相手のためになることをギブし続けること。これさえできれば、本当に「どこでも誰とでも」働けます。

僕はまだ転職の経験がないが、部署異動やグループ会社への出向などで新しい人と働く機会に多く恵まれている。その経験を通して、全く同じことを感じている。例えば、僕はマーケティング担当者として、他部署や現場の方から突発的に頼まれたり相談されたりした仕事を、必ず快く引き受けすぐに片付けるようにしている。新しい組織で働き、まだ周りからの信頼がない状態であれば、相手の要望に可能な限り応えて「この人は話がわかる人だ」と思ってもらうことが自分にとても重要なのだ。その信頼さえ得ておけば、自分からも相談しやすくなるものだ。「これは自分の仕事ではない」とか「そんな急ぎでは対応できない」などの反応をすることは、それが理屈的には正しいとしても、得策ではないと思う。

手段としての転職

「この会社で自分のスキルや知識、人脈、外向きの肩書きを手に入れたい」という手段としての転職があってもいい

転職やキャリア選択には、「そこで何を成し遂げたいか」という高尚な目的を持たなければならないような暗黙知がある。僕は近い将来海外で働きたいと思っているが、それにも高尚な目標があるわけでもなく、未知の経験をしてみたいという単なる知的好奇心だったり、英語で仕事ができるようになりたい、というその程度だったりもする。そう思うと、この筆者の言葉は救われるなあと思うのだ。

最後の0.5%で決まる真価

楽天の三木谷社長の「三木谷曲線」がとりあげられている。

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仕事であれ勉強であれスポーツであれ、0点から80点に上げるのと、80点を90点に上げるのとでは、後者のほうが大変です。90点を95点に上げるのはもっと大変です。だから、たいていの人は、80点で満足してしまうのです。しかし、それではいつまでたっても人並みで、永遠に差別化できません。

筆者は転職で12社も渡り歩いているが、「一つのことを極めることの価値」の重要性も認めている。僕の会社にも、1つの分野を極めた神のような人がいる。その人は、できないこともたくさんあるかもしれないが、1つの分野を極めているので、その分野に関わることであれば必ず声がかかる。90点と95点の差は、単なる5点ではく、圧倒的な差になるということだ。これを考えると、一見派手ではない仕事でも、コツコツと続けることの重要性も見えてくる。

 

さらりと読める、キャリアと働き方の良書だった。仕事へのモチベーションを高めるための1冊として、一読してみるのはどうだろうか。