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しがないマーケターが書く戯言。

もし僕が音声翻訳機ili(イリー)のマーケティング担当者だったら

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iliは音声翻訳機の一つ。音声を吹き込んでボタンを離すと日本語から英語・中国語・韓国語に音声で翻訳してくれる。翻訳技術の発達とグローバル化によって成長産業の一つとなっている音声翻訳機。僕がこのマーケティング担当者だったら、という視点で勝手に分析して勝手に戦略の方向性を考えてみる。

ili(イリー) オフライン音声翻訳機 【メーカー純製品】

ili(イリー) オフライン音声翻訳機 【メーカー純製品】

Posted with Amakuri at 2018.7.15

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  • Logbar Inc.

起動が早い!オフラインで使える自動翻訳機

現状分析

まず、3C分析とSWOT分析で基本情報を確認し、現状を分析する。

3C分析

自社(Company

iliは音声翻訳機の一つ。音声を吹き込んでボタンを離すと日本語から英語・中国語・韓国語に音声で翻訳してくれる。

2013年設立のベンチャー企業、Logbaer2017年にilliをリリース

・競合の「ポケトーク」や「ランジー」が2017~2018に製品をリリースしていることを考えると、iliは先駆者的製品の一つ

iliは日本企業が提供しており、対応言語は英語、中国語、韓国語の3ヶ国語のみである。

競合(Competitor

Amazonで「音声翻訳機」と検索すると多くの競合製品がすでに出てくる。新規参入の脅威も大きな分野となっている。

・代表的なものは「ポケトーク(POCKETALK)」や「ランジー(Langie)」など。価格帯は2~3万円前後が主流であり、illiは比較的安価であると言える。

・一方最近では、Aibecyというメーカーが8,000円代の音声翻訳機をリリース。illiにとっても脅威になりそうである。

・競合の多くの製品は、多言語対応しており、52ヶ国語対応のものもある。

市場(Customer

2017年の訪日外国人観光客は4,400万人を超え、旅行消費額は44,162億円と推計され、前年(37,476億円)に比べ17.8%増加した。

・訪日外国人観光客による国内消費のうち、38.4%は中国、13.0%は台湾、11.6%は韓国である。

・日本国内でのニーズは、訪日外国人と、それに対応する小売店の店員などの双方にあると言えそうだ。

SWOT分析

強み(Strength

・オフラインで使え、起動が早いこと

・一方向の翻訳であり、使い方がシンプルであること

・国内では先駆者であり、日系企業であるので国内市場への対応は早い(はず)

弱み(Weakness

・競合は他言語対応に対し、iliは日本語除く3言語のみ

・一部の競合には価格面で劣る

・オフラインなのでソフトのアップデートがリアルタイムでできない

機会(Opportunity

・訪日外国人観光客と、その国内消費額の増傾向

2020年に控える東京オリンピック

・翻訳技術の精度向上

脅威(Threat

・すでにある多くの競合の存在。安価なものや他言語対応しているものがあること。 

課題設定

・国内企業であることを活かし、どう流通させるか。訪日外国人観光客へどうリーチするか。

・価格面ではどうしても劣るので、起動スピードやオフラインで使えること、シンプルなユーザビリティという点をどう顧客に伝えるか

戦略の方向性

ここまでの現状分析を踏まえ、戦略の方向性を検討してみる。結論としては、成長市場である訪日外国人観光客へのリーチを、流通やプロモーションの面から強化する、というのが方向性案だ。

目標設定

音声翻訳機、iliのシェア拡大による売上・利益の増

 ターゲット

・海外旅行、出張に行く日本人

・外国人観光客を接客する小売業スタッフ等

・外国人訪日観光客

いずれも、旅行に必要な簡単な内容であっても外国語をほぼ話せない人。ただし、一方向の翻訳であるという製品特性上、相手の言っていることを理解する必要のある小売業のスタッフが使うには難があるかもしれない。英語や中国語から日本語への翻訳も可能なので、訪日観光客も非常に大きなターゲットになりそうである。

4Pモデル 

商品(Product

一方向、オフラインなど、高性能のアプリの機能を削ってユーザービリティを高めたilliであるので、多機能化は賢い選択とは言えなそうだ。ただし、ターゲットはその外国語をほぼ喋れない人であるので、競合の状況も考えると他言語の開発は急務だろう。

価格(Price

本体価格だけを見ると他の競合に負けている。したがって、レンタル代として貸し出す形にしたり、月額制の継続サービスなどにしたり、課金形態を変えるのは手であるといえそうだ。

流通(Place

すでに自社サイトでの販売だけではなく、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECサイトに加え、ビッグカメラやJoshin、蔦屋家電などの大手販売店でも提供している。外国人観光客をターゲットにするため、エクスペディアなどのグローバル旅行予約サイトなどでセット販売ができる道を開拓することにはポテンシャルがありそうだ。また、空港等でレンタルWifiと一緒に貸し出しや販売を行うルートを作ると外国人にもリーチできそうである。

販促(Promotion

日本では元SMAPの草彅剛さんによるCM動画を展開している。外国人観光客を狙うのであれば、中国人や韓国人の有名タレントと契約して、プロモーションを行う道もあるだろう。「オフラインで起動が速い」というiliの強みは、静止画や文章だけでは伝わりにくい。CM動画(Youtube広告など)やInstagramの動画広告など、動画と音声を利用したプロモーションに投資することが必要だろう。

参考

・イリー公式サイト 

POCKETALK公式サイト

IU公式サイト

・Amazon公式サイト

Gotcha! -音声翻訳機5種を比較!小型なのに英語も中国語も韓国語もOK!

・東洋経済 -ソースネクスト「ポケトーク」に込めた狙い

・観光庁 2017年訪日外国人消費動向調査