NERDY

しがないマーケターが書く戯言。

かゆいところに手が届く、街の電気屋さんがAI時代に生き残る理由

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とある広告代理店の営業マンKさんと、とは長い付き合いだ。チラシやパンフレット、販促資材などその他もろもろのデザインや印刷手配、広告媒体の手配までお世話になっている。最近、その人の働き方を見ていて、すごい「人的資本」だな、と思った。

広告代理店といっても電通や博報堂などの巨大企業ではない。従業員もわずかであろうサイズの企業だ。ふつうの感覚で考えると、マーケティングは大企業の広告代理店にいろいろお願いしたほうが上手くいきそうだ。しかし、そのKさんはたった1人で大企業に負けない非常に高い価値を発揮している。

歴史を知っている

まず、事業の歴史を知り尽くしている。弊社の担当はころころと変わっているはずだが、Kさんはおそらく20年くらいずーっとこの仕事を担当している。だから、逆に弊社側の人間が「これ過去にはこうなってましたよ」「その施策はやったことがありましてねー」なんて教えられるほどだ。

融通、こまわりが効く

付き合いの歴史が長い分、強固な信頼関係で結ばれている。だから、デザインや印刷だけでなく、資材のセットアップなど、広告に関連する仕事はなんでもお願いしている。急な相談やイレギュラーなお願い、小ロットの仕事は、大きな企業との取引だと「その業務は契約内容に入っていません」なんて言われるのがオチだが、Kさんはこまわりを効かせて難なく対応してくださる。

プラスαの仕事をしてくれる

そして、これが一番重要だが、プラスαの仕事をしてくださること。明確にお願いしていなくても「これって表記間違っていませんか?」「ここの表現が最新でなかったので修正しておきました」「他の担当の○○さんの広告物はこうなっていましたよ」と、逆に弊社スタッフが救われることが多々あるのだ。Kさんは、我々にとって、かゆいところに手が届く、一昔前の街の電気屋さんのような存在だ。大手家電ストアの担当ではやってくれないこともすぐに対応してくれ、サービスをしてくれたり、業務外のことだって気軽に相談できる。

経営の「人的資本」

こんな状態だから、他の広告代理店さんには絶対に代わりは務まらない

 経営学の世界では、競合に対して優位に立つための、4つの資源があるとされる。人的資源、物的資源、財務的資源、情報的資源だ。このKさんは強固な人的資源となり、見事に競合の前に立ちはだかっている。

Kさんには、当分、AIも勝てないだろう。歴史を知ることはAIの情報処理で簡単かもしれないが、融通を効かせたり、お願いしていないプラスαのことをやってくれるのは、ロボットにはしばらくできそうもないからだ。